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2008-01-03

(転載)台湾茶を製法で分類

台湾茶を製法で分類

地域・茶葉の種類以外に製品の違いが大きく出るのは製法です。ここについては、まとまった資料があまりないのでまうが思った感じで書いていきます。間違いや誤解を呼ぶ表現があるかもだけど、それはご免ね!

発酵度
・ 無発酵茶=緑茶(発酵させない)
 発酵させないお茶です。6大名茶のカテゴリーでは緑茶と言われているものです。台湾で生産されているものでは、三渓地方の龍井、碧螺春が有名です。また花蓮地方にも紅茶用の茶葉を使用した「蜜香緑茶」と言うものがあるようです 阿里山で「緑茶」として売っていたお茶があったのですが、半球状に揉捻していたので、正確には緑茶とはいえないかもしれません。また日本で一躍有名になった「禅茶」もこのカテゴリーでしょう
・ 弱発酵茶=包種茶など
 発酵の非常に弱いお茶、包種茶はこのカテゴリーが多いです。梨山の高地で栽培されている烏龍茶もこのカテゴリーに入るものが多いですね。茶殻をみて茶葉も縁が赤くなっていない程度の発酵度合いと覚えているとよいのではないでしょうか?(但し、高焙煎のものは、焙煎香や茶葉自体が焼けているので一見して発酵度を見分けるのは困難です)
・ 中発酵茶=一般的な台湾烏龍茶
 茶葉の縁が赤くなるまで発酵を進めたお茶、一般的な半球状のお茶はこのカテゴリーが多いです。但し、最近の流行は発酵度を弱くしたものが多く、とりわけ梨山系の高山茶は弱発酵のものが流行しています。
・ 高発酵茶=東方美人・台湾紅茶
 茶葉全体が赤くなったのもが混ざっている、もしくはすべてが赤くなっているお茶です。60%以上の発酵度のものをこういいます。
・ 後発酵茶=黒茶(プーアル茶)
 台湾でもこのところプーアル茶は実は静かなブームなのです(日本や香港でのブームが飛び火して)。あえてこの稿で取り上げたのは実は「台湾ではプーアル茶は生産されていない」と言うことをいいたかったのです。台湾で売っているプーアル茶はまうが知る限り100%大陸からの輸入品です。お土産やなどで「台湾名産」としてプーアルを売っている店がありますが、そういう店は非常に悪質なカタリと言えるでしょう。
 ブームのおかげで良質のプーアル茶が台湾に入荷していたり、茶荘が加工(焙煎など)をして販売する中国では入手しにくい面白いものもありますので、一概に購入を批判はしませんが、よほど信頼できる茶荘ができてからの購入をお勧めします。

焙煎

・ 毛茶(焙煎していないお茶)
 一般的に市場に出回る事は余りありません、水分がまだ若干残っている状態ですので、ほっておくとあっという間に風味が変わってしまいます。台北の茶荘の多くはこの状態で産地から茶葉を送ってもらい、自分のところで焙煎します。同じ茶葉だとしても焙煎の技量いかんでは、仕上がりに雲泥の差が出てきます。台北のお茶やさんの値段が入賞茶より高い由縁でもあります。ちなみに毛茶は「胃に悪い」と言います。もし飲む機会があっても飲みすぎないようにしましょう。
新茶の時期には焙煎途中の物や入荷したての毛茶を飲む機会が極まれにあります(まうはなじみの所から勉強用に分けてもらったりします)
・ 一分火
ほとんど火入れをしていないお茶、焙煎香でお茶の味をよくするというより、乾燥を進めて発酵を止ただけという感じです。ゆえに茶葉そのものの味が非常に強く影響します(よい茶葉でないとこの状態では商品として提供できません)。また、完全に水分が抜けきっていないため保存も難しいお茶です。(つまりこのタイプお茶は、シーラーや脱気パック器などの保存手段を持たない方には購入をお勧めできません)
・ 二分火
 一般的な高山茶、包種茶の火入れ度合いはこのあたりです。書き忘れていましたが、焙煎と言っても珈琲のようにフライパンなど炒るのをイメージされる方も多いかもしれませんが、そうではなく低温で何日もかけて、乾燥させているのです。二分火の場合は焼きよりも茶葉自体の味にこだわりたい方にお勧めです。ただ、このあたりだと、焙煎する人の技量が非常に強く影響します。
・ 中火(3~5分火)
 一般的な凍頂茶などがこのカテゴリーに当たります。また、梨山系の高山茶でも昔作りにこだわっているところではこのぐらいの焙煎が多いですね。焙煎することで茶葉の味がしっかり出て焙煎香も強く現れてきます。バランス重視の方にはこのあたりの焙煎度がお勧め。ただ下に書くような焼きなおしたお茶もこのぐらいの焙煎度ですので、見極めるのに注意が必要です
・ 高焙煎茶(鉄観音など)
 鉄観音など一部のお茶では5分火以上の強い焙煎をするものもあります。茶色は赤茶みを帯び始め、ほうじ茶のような柔らかい焙煎香が感じられるようになります。また、前述のプーアルのように大陸から輸入したプーアルに強く火入れをし、殺菌、洗浄、消臭をしたものもあります。
・ 冷凍茶
焙煎はおろか乾燥もさせないお茶です。発酵が終わった段階で冷凍させて作るお茶で、さらに冷凍中にも酸化するので、日本で飲むのは非常に困難です。ピンリンで売っている店がありましたね。あと木柵にも数軒のませる店があるということです
・ 炭焙煎
 炭焙煎に関して、あえて別稿を起したのは、主に2種類の炭焙煎のお茶があるからです。一つは、珈琲などの炭焙煎のように炭焼き香をつけたいための炭焙煎、これは下の香りの部分に詳細を書きます(多くの炭焙煎はこちらのパターンです)。もう一つは炭の遠赤外線効果を利用して内部の乾燥を助長したもの。これに関しては非常に少ないですが、そこまで気を使う茶荘も存在し、その出来は非常に優れています。両者の味の違いは歴然で、非常に面白いです
・ 焼きなおしたお茶
 これも技術といいきれば良いのでしょうが、あえてよくない焙煎と言います。古くなり味の落ちた、もしくは湿気が入り味の落ちたお茶葉を再度焙煎しなおすことで再利用したお茶です。当然、味もばらつきが生じ、ひどいものになるとお茶を飲んだときには(まうの表現では)腐った菊のような臭いがします。一概に「よくない」とはいいきれませんが、多くの場合は、それが「再利用」とは言われず、さらにひどい場合は新茶として売られている場合もあります。また、台北の焙煎のうまい茶荘ではほとんど見分けがつかないような巧妙な焙煎技術を持っているところもあります。

着味・着香

・ 古法焙煎(甘蕉焙煎)
 昔からの製法の一つで、焙煎する時にさとうきびと一緒に焙煎することで、さらに甘味を増幅させる方法です。確かに甘くなるのですが、独特のくせがあり、さらに何煎も入れていると明らかに甘味の減り具合が気になります。
 ただこのお茶が好きという人も多く存在します(気づく、気づかないに関わらず)し技術の一つといえなくもないと考えています。
 ・ 炭焙煎
 前述の焙煎技術の中で少し書きましたが、多くの炭焙煎が、炭焼き珈琲のように焼いた香りをつけることを目的としたものが多いです。また、高地原住民系の昔からの作り方もこの作り方が多いです。焼き方はさまざまですが、一つの例としてあげると、藁ずとにいれた茶葉(巨大な納豆をイメージしてください)を焼き芋のようにおき炭の中に放り込むという大胆な方法があります。昔作りの珠露茶などでこのパターンの味に出くわしたことがあります
 ・ 着香茶
 着香というとよくないイメージが付きまといますが、農作物の一つの技術として考えるとあながち全否定の対象でもなくなります。まうが出くわしたお茶の中にもミカンの花を手作業で茶葉に擦り付けた鉄観音は、アールグレイの紅茶など足元にも及ばない気品がありましたし、台北北部の南港の桂花烏龍茶は畑の横に桂花(キンモクセイ)があり、その同じ土地のキンモクセイの花の臭いをつけた桂花烏龍はむしろ自然においしいと感じます。
 勿論、なんの因果律もない物を着香したり、化学物質を添加したりした着香は不自然極まりなく、美味しくも無いことはいうまでもあいません。

それ以外でお茶の味に影響を与えるもの
・ 形状
 包種茶のような形状、半球状のお茶でも大きさによって味は全然変わってきます。
 たとえば、包種茶の茶葉をあえて半球状にしたものを飲んだことがありますが、普段飲む烏龍茶と全く違っておどろいたことがありますし、同じ金萱種を使っても大きさによって全然味は異なります。また、崩れてしまった茶葉とそうでない茶葉、手づみのお茶と機械づみのお茶、茎のついているお茶とそうでないお茶、とさまざまな要因が他にあります。
・ 茶樹自体の年齢
 お茶にして美味しい適正な樹齢が茶樹にはあるようです。茶樹が新しすぎると、日本茶に近いような青臭さが残り、また茶樹が古すぎると、こしのないなえた味になってしまいます。適齢のお茶は当然人気や需要が高く、古くから取引をしている所に行きます。ブームに乗って新しく取引をはじめる日本の茶荘には残念ながら若いものや、適正時期を過ぎた茶樹から取れるお茶が多いのも事実です
・ 土壌の力、栽培状態(有機農法)
 茶樹よりさらに先にあるのはその茶樹が育っている土の状況ですね。土壌の違いでここまでお茶の味が力づよくなるのか、と最近驚いたことがあります。周りに農薬を使わない斜面を新たに起こし、土作りからこだわった有機農法で作られた凍頂烏龍茶だったのですが、今までと全く違う味に驚かされました。ちなみにまうが飲んだ多くの有機農法でつくられているお茶は、土地がやせていてあまり魅力がなかったのですが…、驚きました

まとめとまう的主張!
 なんというか、まとめてみて思うのですが、すご一杯ありますよね。製法だけでもこの多さ、やはり一筋縄では行かないですねえ…。自分が気に入ったお茶をゲット出来るまで長い時間がかかるかもしれません、でもそれってロールプレイングゲームみたいでなんか楽しいと思いませんか? 

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